お金を増やした後に

体全体がニオイの発生源

第2章 体全体がニオイの発生源

■人間とニオイの歴史

●記憶に残るニオイ

この章では、私たちとニオイの関わりを中心に、
生活の中のニオイについて述べます。

その時々の精神状態を左右する大きな要素に、
ニオイがあります。

みなさんも、高原を旅した時など、
窓を思いっきり開け放ち、朝露のニオイに
満ちたすがすがしい空気を胸いっぱいに吸った
経験があることでしょう。

誰しもが心洗われる思いをいだき、
生きている幸せを感じるひとときです。

でも、悪臭を放つごみために囲まれて目覚めた
のでは、さわやかというわけにはいきません。

不愉快きわまりない一日のスタートをきることに
なり、一日中気分が晴れないに違いありません。

ニオイはまた、脳裏にやきついて、
ずっと以前にかいだニオイを思いがけずかいだ時
など、なつかしい昔のことを思い出させてくれて、
心を豊かにしてくれたり、
逆にいやな記憶を思い出させたりもします。

手焼きのパン屋さんや、
昔ながらのお茶屋さんの前を通った時など、
かつて、路地に漂っていたパンを焼くほのかな
甘い香りや、鼻をくすぐるようなほうじ茶のニオイに
触れて、幼い頃を懐かしく思い出す人も多い
ことでしょう。

少女の髪のニオイや、少年の汗のニオイで、
初恋時代のことを思い出す人も少なくないはず
です。

昔なつかしいニオイは、
夢多かりし幼い時代の思い出を心のパノラマに
映しだしてくれます。

いやな記憶も含めて、
ニオイは思い出の中に生き続けているわけです。

●香と香水の起源

よいニオイに囲まれて毎日が生活できたら、
どんなにか素敵なことだろう、
と誰しもが思うところです。

事実、古今東西を問わず、
その夢を実現するための試みは、
昔から行われてきました。

代表的な例としてあげられるのは、
日本では「香」をたく習慣であり、
ニオイ袋を懐中にしのばせる習慣でした。

西洋では香水を身にふりかける習慣が発達して
いったのです。

日本では、仏教の伝来とともに、
仏間に供香がたかれるようになり、
紫式部などが活躍する平安時代になって、
普通の部屋で香をたくようになり、
さらに時代が進むと、
香をたく部屋に衣装をかけておき、
そのニオイを衣服に染み込ませる移香が
行われました。

ニオイ袋を持ち歩き、香臭を漂わせるように
なるのも、
ほぼその時代から始まっています。

当時は日常的に入浴するという習慣はなく、
そのうえ、十二単などという非活動的な衣装に
包まれていたため、
不快な体臭に悩まされていたのでしょう。

今に響く絶世の美女たちは、
実は悪臭漂う美女だったのです。

西洋でも事情は同様です。

ローマ帝国が崩壊した後のヨーロッパは、
キリスト教徒である十字軍が、
イスラム教徒から聖地を奪回するために
血みどろの戦いを繰り広げました。

俗に暗黒時代と呼ばれた時代です。

ローマ帝国時代は、
ローマ風呂の名で知られるように、
一般庶民も含めて入浴する習慣があったのですが、
ローマ帝国崩壊とともに風呂に入る習慣のすたれて
しまい、
それ以降は「浴槽なき千年」を迎えるわけです。

香水は、実はこの時代に生まれ、
普及していったものです。

香水もまた、オシャレからではなく、
切実な体臭隠しの必需品だったのです。

再び日本の話に戻りますが、
古い茶室や神社仏閣などでは、
単に香をたいてニオイをつけるだけではなく、
悪臭をとるための努力をしています。

今でも、冷蔵庫などの臭いをとるのに活性炭を
利用しますが、
古い建物の周囲に炭を敷きつめて、
いやなニオイを追放しています。

人間がニオイにいかに敏感に対応していたかが
うかがえます。

長い歴史をもつ京都の一流旅館の名前に
「炭屋、俵屋、柊屋」などがあります。

炭やワラや柊の葉に臭いをとる働きがあることを
考え合わせると、
悪臭から解き放たれたい人間の本能的な性質が
うかがえて面白いものです。

■人によって違うニオイの感じ方

ニオイに限らず、色でも、音でも、味でも、
当然のごとく、快いものと不快なものがあります。

快いものならよいのですが、
もしそれらが不快なものなら人間はただちに
拒否反応を起こします。

不快な色なら思わず目をそむけます。

いやな音なら耳をふさぎ、
まずいものを口にすればすぐに吐き出して
しまいます。

ニオイについても同様で、
腐敗したニオイやニンニク臭、アルコール臭
などをかぐと、一瞬顔をそむけたり、
呼吸を止めたりして、
そのニオイから逃れようとします。

不快なものから瞬間的に逃れようとするのは、
人間の防衛本能のひとつです。

●ニオイの感じ方は主観的

ところで、よいニオイ、いやなニオイは、
はたしてどのような基準で分けられているので
しょうか。

ニオイの快・不快は、
一般的に次の4種類に区別され判断されます。

すなわち、
①質・・・ニオイの種類
②強度・・・ニオイの強さ
③認容性・・・好みのニオイであるか否か
④広播性・・・どれほどの濃さでにおっているか

良いニオイか、いやなニオイかは、
この4つの基準に照らして、
自主的・主観的に判断されるわけですが、
快・不快の境目は個人個人によって異なり、
一様にその境を線引きできるものではありません。

しかも、ニオイに対する反応は、
その人の置かれている条件や環境、
精神状態によっても、様々に変化します。

また、たとえよいニオイでも、
一定以上の濃度になれば不快なニオイに
なることがあります。

逆に、悪臭でも、濃度が薄くなれば快いニオイに
変化することもあります。

前者は香水がそのよい例であり、
後者はジャコウがよい例といえます。

よいニオイか否かの一般的な区別はあっても、
微妙なところになると、
その判断はそれぞれの人の感じ方に任せる
しかないわけです。

だから体臭についても、
第三者はまったく不快ではないのに、
主観的な判断で「自分の体臭は不快だ」と
悩んでいる、
ということも決して少なくないのです。

■ニオイを分類する

●ニオイの種類は40万

「ねえ、なんかにおわない?」
「いやだあ、この辺からにおってくるみたいよ」
「やめて、クサイ話は!気分が悪くなっちゃう
じゃない」とか、
「いやなニオイ!頭が痛くなっちゃう」
「別にいやなニオイじゃないよ。

私なんか好きだな、このニオイ」
というような会話を、
一度や二度耳にしたことがありませんか。

これは嗅覚が、視覚や聴覚や味覚よりも、
ある面では敏感であることを物語っています。

しかも、前節で述べたように、
個人ごとに判断基準が異なっていることを
如実に物語っています。

ところで、誰もが日常生活で、
実にたくさんのニオイを感じているわけですが、
いったいどれくらいのニオイがこの世の中に
あるのでしょうか。

ある化学者の説によると、
その数は40万種以上にのぼるといいます。

しかし、いくら鋭敏な鼻をもってしても、
それらのすべてをかぎ分けることは不可能です。

人間の鼻では、せいぜい2千種もかぎ分けられ
ればよい方です。

たとえかぎ分けられないとしても、
人間は生きている限り、
雑多なニオイを嗅ぎ続けて生きていくしか
ないのです。

あまり一般の人に役立つものではありませんが、
数限りないニオイを、
その性質ごとに大別して分類しようとする試みも
なされています。

最も知られている分類法は、
植物学者としても有名なリンネによるものです。

●リンネによるニオイの分類

リンネによると、ニオイは7種類に分類されます。

①芳香臭
月桂樹や熟した果実などのニオイ

②馥郁臭
ユリやバラなどの香りの良い花のニオイ

③ジャコウ臭
ジャコウに代表される高貴な香り

④ニラ臭
ネギ、ニラ、ニンニクなどの鼻をつくニオイ

⑤尿臭
尿のニオイや山羊、キツネ、タヌキなどのニオイ

⑥悪臭
誰にも不快感を与えるニオイ

⑦腐臭
腐った肉のような、吐気をもよおすニオイ

以上ですが、このほかにも、
様々なニオイを分類する試みがなされて
います。

しかし、人種や性格、環境、その時々の体調
などによって、感じ方は千差万別なのですから、
分類しようとした人の数だけ分類法ができて
しまうことにもなりかねません。

もちろん、偉大なリンネの分類法によっても、
各種のニオイを定義づけることはできません。

いや、定義づけようとすること自体が無意味
なのかもしれません。

ニオイは、元来、快・不快を含めて、
正確には分類できるものではないのです。

一般には、花や熟した果実の多くは、
快いニオイとされていますが、
甘ったるくて不快に感じる人もいます。

一人ひとりの女性はかぐわしいニオイを
発していても、
若い女性の研修会で大勢集まった時などは、
数多くのニオイが混じり合い、
とりわけ男性にとっては、
ムッと胸がつまるような不快なニオイに感じる
こともあります。

またジャコウのように、
ジャコウ鹿やジャコウ猫から取り出したばかりの
時は不快な糞臭にしか感じられないのに、
薄めていくにしたがって、
誰しもが夢心地になるような快いニオイに
変わるものもあります。

このように、ニオイは量や質によっても、
その組み合わせによっても、
微妙に変化するのです。

体臭に悩む人の中には、
少し離れたところでかぐと、
決して不快なものではないのに、
肌と衣服の間からもれてくる自分の
「濃いニオイ」を不快なものと判断して、
自己嫌悪に陥っている人も少なくありません。

香水やオーデコロンをつけて、
かえって不快なニオイに変わることもあるので、
注意したいものです。

■ニオイを感じる仕組み

ここで嗅覚についても、
ちょっと考えてみましょう。

嗅覚とは言うまでもなく、
鼻でニオイを感じることですが、
はたして、どんな仕組みで感じるのでしょうか?

まず、我々が息を吸うと、
空気と一緒にニオイの分子が鼻に入り、
嗅覚細胞を刺激します。

この刺激が一種の電気信号となって脳に
伝えられ、
そこで初めて「ニオイ」として自覚される仕組み
になっているのです。

つまり、ニオイは神経の興奮によって「ニオイ」
になるわけです。

快いニオイも、不快なニオイも、
感じる仕組みはまったく同じです。

快・不快の判断は、脳が勝手に行っているの
です。

ところで、この嗅覚は、3つの大きな特徴を
もっていることを知っておかねばなりません。

視覚や嗅覚、味覚、触覚などの他の感覚にも
同じような特徴がみられるのですが、
嗅覚の場合にはそれが際立っています。
その特徴とは、
①順応しやすい
②個人差が大きい
③ほかの感覚と相互に関連している

この3つです。

●嗅覚は「疲れやすい」

最初の特徴である「嗅覚は順応しやすい」
ということは「慣れてくる」ということであり、
言葉をかえれば「嗅覚は疲労しやすい」
ということです。

どんなに快いニオイであっても、
不快なニオイであっても、
そのニオイを長時間かいでいると、
全くといっていいほど、
そのニオイを感じなくなってしまいます。

たとえば、猫を飼っている家に訪れた時など、
鼻をつくような猫の糞尿の独特のニオイが
気になるものですが、
しばらくいるうちに、次第にその家の住人と
同様、特別に意識しなくなってしまいます。

におわなくなってしまうのです。
この場合は大変都合が良いのですが、
快いニオイの場合も同様に、
すぐに慣れて臭わなくなってしまいます。

家を新築にした時など、
新しい檜や畳のニオイは実に快いもので、
新築の喜びをかみしめられるものです。

しかし、何日か経つと感じなくなってしまうのは、
なんとも残念なことです。

食べ物の場合も同様です。

餃子を食べた時など、
周囲の人には強烈なニンニク臭がするもの
ですが、本人は何も臭わない。

これも、嗅覚の疲労によるものです。

嗅覚の疲労や順応は、嗅覚の弱点といえなくも
ありません。

しかしそれは、我々にとって必要だからこそ
備わっている特徴なのです。

たとえば、ずっと同じニオイがしていて、
我々がそれを感じつづけたとしましょう。

心理学的にいえば、かなり短時間のうちに、
精神的な動揺、イライラが生じるはずです。

とすると人間は、嗅覚が疲労することによって、
大いに助けられていることになります。

確かに、朝の満員電車では、
色々なニオイが混じり合い、
はじめのうちは、がまんできないくらい不快に
思うこともありますが、
しばらく気を紛らわしているうちに、
対して不快感を感じなくなってしまいます。

もし、嗅覚が順応することなく、
最初の不快なニオイがいつまでも「新鮮」に
続くようでは、
電車の中で神経がまいってしまい、
一日中不快感とイライラが続き、
やがて電車に乗ること自体に嫌悪感をいだく
ようになるに違いありません。

この場合は、ニオイに慣れることによって不快感
から解放される代表的な例といえます。

反対に、嗅覚が疲労することによって、
生命そのものが危険にさらされることもあります。

ガス漏れなどはその例で、
少量ずつ漏れている時など、
知らぬ間にガスのニオイに慣れてしまい、
結果、生命を落とすことにもなりかねない、
というわけです。

●嗅覚には個人差がある

人間の嗅覚の能力は、
人種、性別、年齢によって、
かなりの差があります。

同環境、同条件で生活していてもかなりの差が
みられます。

他人がまったく感じないニオイをいち早く感じ
とる人もいれば、逆に、みんながにおっている
のに、いつまでも感じない人もいます。

また、嗅覚は訓練することで、
その能力をかなり発達させることができます。

香料を調合したり、
香りを創り出すことを仕事にしている人を
調香師といいますが、
彼らの「鼻」は、まさに訓練によって鍛えられた
ものです。

余談になりますが、
欧米の化粧品会社などでは、
調香師が社長をしのいで最高級取り、
という例も少なくないのです。

それほどニオイの識別はむずかしい、
ということです。

前述しましたが、
ニオイの種類でも個人差が見られます。

同じニオイでも、その感じ方は人によって
違ってきます。

ゴミのニオイなどは感じないのに、
体臭や口臭には異常なほど敏感という人が
います。

ガソリンや排気ガスのニオイが好きという人も
意外に多いものです。

すべてのニオイを敏感に感じ取る人は皆無と
いってよいでしょう。

普段「鼻が利く」と嗅覚に自信がある人は、
正しくは、一部の限られたニオイに自信がある、
と言うべきなのです。

性別でいえば、女性の方が男性よりも嗅覚は
優れています。

しかし、生理中は急激に鈍くなることも知られて
います。

体調によっても嗅覚は変化します。

風邪をひいた時に嗅覚が著しく低下するのは
ご存知でしょう。

これは鼻腔が充血してはれて、
気道が狭まるためで、
いわゆる「鼻がつまる」という現象によって
鈍くなるわけです。

また、体が疲れているときも嗅覚は鈍ります。

朝起きたての時が最も鈍く、
時間が経つにしたがって鈍くなります。

その他、空腹時には、ニオイに極端に敏感に
なることは、誰もが身に覚えのあることでしょう。

●嗅覚と味覚は「兄弟」

食べ物のおいしさ、まずさという、
いわゆる味覚は、舌で判断するものと思われて
います。

確かにその通りですし、
謝りではないのですが、
嗅覚が微妙に関連しているのもまた事実です。

誰もが経験したことがあるでしょうが、
風邪をひいた時などは食欲もないし、
たとえ食事をしてもおいしく感じません。

これは、熱があるために味覚そのものが
鈍っているためです。

また、嗅覚が鈍くなって、
香りが十分に味わえないために食欲が刺激
されないことも影響しています。

ここで、面白い実験をしてみましょう。
コップを2つ用意して、
それぞれのコップにオレンジジュースと
グレープジュースを入れておきます。

①まず、目隠しをして、鼻をつまんで双方を
味わう
②目隠しだけをして双方を味わう
③目隠しをとって、普通の状態で双方を
味わう

これは、嗅覚、視覚が味覚にどのような影響を
与えるかという実験です。

それぞれの実験で、味わいにどれだけの差が
出るでしょうか。

テレビのクイズ番組で、①の方法を利用して、
味当てをやったことがあります。

正解者は、8人中たった1人でした。

味覚を感じる上で、嗅覚がいかに大きく
関係しているかがわかります。

この実験をやってみるとわかることですが、
②と③では、ほとんどが判断ができます。

しかし①の方法では、確信をもって判断できなく
なるのです。

味覚によって嗅覚とは、頼りがいのある兄さんの
ようなものです。
■清潔志向がニオイを増幅

ニオイの一般的な性質、嗅覚の特徴については、
だいたい理解していただけたと思います。

ニオイは、よいものならともかく、
そうでない場合には、周囲の人だけでなく、
自分自身も多いに悩ますやっかいなものなの
です。

ワキガ、汗のにおい、足のムレたニオイ、
髪の毛の脂っぽいニオイ、生理のニオイ、
これらは、他人から指摘されなくても、
ある程度は自覚できるものです。

しかし、嗅覚の慣れなどもあって、
他人にはにおうのに、
当の本人は少しも臭わないこともあります。

友人と話をしていて、ある日突然、
「口がにおうわよ」と言われたり、
「あの人のそばへいくと変なニオイがする」
と話しているのを聞いてしまい、
恥ずかしくて思わずその場から逃げ出したく
なった経験はないでしょうか。

しかも、一度そのような体験をすると、
誰も何も言わなくても「におうのではないか」
と気になってしまいます。

以前、ある生命保険会社が行ったアンケート
調査によると、
女性中・高校生のうち、自分のニオイが気になる
と答えた生徒は、
実に83%にものぼっています。
しかし、実際に他人にもわかるほどの体臭の
人は10%もいません。

さらに、このアンケートによると、
朝、風呂に入ったり、洗顔時に髪も一緒に
洗うと答えた生徒は中学生で3人に1人、
高校生では2人に1人。

ニオイ消しのスプレーやオーデコロンを持って
いる生徒も30%を超えています。

実際にはにおわないのに、
必要以上に神経を使い、
異常なほど清潔にしようとしている努力を、
誰が笑うことができるでしょうか。

それほどまで気になってしまうのが、
ニオイなのです。

喜劇的ではなく、まさに悲劇的と言わざるを
えません。

ところが、本人の努力にもかかわらず、
悩みは堂々巡り。

苦しみは底なし沼のように深まり、
そのうちに「自分は生まれついての異常体質」
と思い込んだりしてしまうのです。

専門的な言葉で「自己臭病」というのですが、
こんなことが原因で、ノイローゼになったり、
対人恐怖症に陥ってしまう人もいます。

友人や家族に、気軽に相談できないし、
近所の医者にも相談しにくい。

一大決心をして、相談をしたところで、
「そんなことでクヨクヨ悩まないで、
それよりも勉強、勉強」と言われるのが関の山。

「たいしたことじゃないのに」と言われようもの
なら、「やっぱりにおうんだ」と、
さらに悩みは深くなってしまいます。

■ニオイは体全体が発生源

ニオイの悩みを解決する第一歩は、
ニオイの発生源と原因を正しく知ることです。

確かに、ニオイは空気のようなもので、
つかみどころがありません。

しかし、ちゃんと発生源もあれば、
原因もあります。

参考までに、ニオイのおもな発生場所と、
一般的な原因をあげてみます。

【頭】
ここは、皮脂腺が特に発達している部位で、
いつも「皮脂」というアブラが活発に分泌
されています。

皮脂は皮膚を護り、
同時に髪にうるおいを与えてくれる功労者です。

しかしこの皮脂こそが、
髪のニオイの原因でもあるのです。

髪をホコリで汚れたままにしておくと、
皮脂が頭皮や髪にたまり、
それを細菌が分解して嫌なニオイを放ちます。
また頭皮は、周りのニオイ分子を吸収しやすく、
しかも吸収したニオイを濃縮して発散させるという
性質があります。

タバコを吸う人の髪からはニコチンやヤニの
ニオイがしますし、
家の中で動物を飼っている人の髪には
その動物特融のニオイが移ります。

髪のニオイの予防法は、もちろん洗うことです。

ただし注意してください。

というのもあまり洗いすぎたり乱暴に洗ったり
すると、キューティクルという毛髪の一番外側の
部分が傷ついて、
さらに皮脂の細菌分解が進むからです。

朝シャンについても一言。

ニオイ分子は、湿ったかみのけに吸着
しやすいものです。

朝洗った髪をよく乾かさないで外出すると、
周囲のニオイが髪にくっついてきます。

髪は寝る前に洗うのが良いでしょう。

頭のニオイのもうひとつの原因はフケです。

フケは、皮膚の新陳代謝によって頭皮が
はがれたもので、
細菌の格好の棲み家、栄養満点の
「お菓子の家」です。

ですから、フケが多いほど頭のニオイは
強くなります。

いわゆる「フケ症」とは、
ストレスやお酒の飲み過ぎ、
刺激物や糖分の取り過ぎなどで新陳代謝の
周期が短くなり、
フケの量が多くなってしまう状態のことです。

またフケは、ストレスや睡眠不足で睡眠深度が
浅い眠りが続くと特に増加します。

快眠のためにイオン枕や磁気マットなどを
使う工夫をするのも良いでしょう。

また、脱毛の気になる人のフケ対策には、
センブリやプラセンタエキスの入った育毛剤も
よいでしょう。

フケはみために不潔なだけでなく、
ニオイの原因にもなり、
同時に体の老化のバロメーターともなります。

フケを少なくする生活を心がけることが
大切です。

【耳】
体のニオイで病気が見つかることもあります。

たとえば耳から普段と違うニオイがするようなら、
すぐ耳鼻科の先生に診てもらうべきです。

いわゆる耳だれによることが多いからです。

外耳炎ならば痛みや発熱で異常に気が付き
ますが、
慢性の中耳炎などでは自覚がなく、
最初にニオイで病気がみつかることもあります。

耳垢がたまりすぎたときにもニオイが出ます。

耳は清潔にするべきですが、最近、
耳の掃除のし過ぎによる外耳炎が増加
しています。

なにごともほどほどが大切です。

【鼻】
蓄膿症では、膿汁のために強いニオイを
発します。

でも鼻に炎症のある場合には、
嗅覚が減退するため本人は嫌なニオイと
感じない場合もあります。

蓄膿症の人は、鼻が詰まって口で呼吸する
ことが多いため、唾液が乾き、
口内の自浄作用が低下し、
口臭が強くなることがあります。

この場合には、病気の治療と同時に、
蒸気吸入器などで鼻粘膜やのどの粘膜を
加湿して潤すことによっても、
ニオイを減少させることができます。

【口】
口臭については、実に様々な原因があります。

誰もがニオイを放ちうる可能性のある口臭を、
生理的口臭といいます。

たとえば、朝起きた時などは誰しも口臭が
あります。
寝ている時は唾液の分泌量が少なくなり、
口の中が乾いて、雑菌力が低下してしまうため、
食べ物のカスなどが分解・発酵して臭いが
出るのです。

空腹時や食欲不足時、神経の長時間の緊張、
女性の生理時、老人性の唾液減少、
唾液腺疾患、ストレスなども、
唾液量が減少して口臭の原因になります。

また口臭は、口腔内炎症、呼吸器系の疾患、
内臓の疾患でも起こります。

これらは生理的口臭とは分けて、
病的口臭といいますが、詳しくは別項でふれます。

ニンニク臭やタバコのヤニ臭、酒のニオイなどは、
言うまでもなく、飲食物、嗜好品によるものです。

【ワキの下】
いわずと知れた悪臭の代表といわれるワキガの
ニオイ。

周りの人も気になります。

それ以上に本人が地獄にいるような思いを
するのが、このワキガです。

ワキの下には、アポクリン腺と呼ばれる分泌腺が
集まっています。

このアポクリン腺からは、特殊なニオイ物質が
分泌されます。

したがって、誰しもが大なり小なり、
ワキの下がニオイます。
アポクリン腺から分泌されるニオイ物質こそ、
本来、異性を引き付け、性欲を高めるニオイ
なのです。

その働きは、頭部の分泌物のニオイなどの
比ではありません。

アポクリン腺は、脇の下、生殖器周辺、
肛門周辺などに特に多く、乳首、まぶた、
唇周辺にも多く見られます。

一般的に、体毛が密生している部分に多いのが
特徴といえます。

体毛には、ニオイを吸収して、
拡散させる働きのあることを考えあわせれば、
アポクリン腺から分泌させるニオイの本当の
狙いは、異性へのセックス・アプールである
ことがわかります。

ところが、ジャコウのニオイと同じで、
ワキの下のニオイも、強すぎると悪臭と
化してしまうのです。

人によっては、このニオイ物質をより多く、
より強いニオイをもって分泌してしまうことが
あります。

これが一般医いわれるワキガです。

このニオイ物質が、皮脂腺から分泌される脂と
混ざり、さらに細菌が繁殖するようになると、
よりいっそう強烈なニオイに変化するのです。

少しでも弱いニオイに留めておくためには、
清潔が第一です。
【生殖器】
女性の場合、カビの一種であるカンジダによる
膣炎、トリコモナスという原虫による膣炎に
よっても悪臭を放つようになります。

また、病気とは言えませんが、生理時にもニオイが
出ます。

悪臭とは限りませんが、女性によっては気になる
気負いです。

生殖器周辺にもアポクリン腺があることは
すでに述べましたが、
それが原因で生じるニオイをスソワキガと
いいます。

【足】
通気性の悪い靴下をはいたり、
ホコリがたまったり汗が染み込んだ靴をはくと、
特殊なニオイがします。

汗や皮脂がカビや細菌の働きで発酵した
ニオイです。

多汗症や脂性の人から特に強いニオイがします。

このように、人間は頭のてっぺんから足のつま先
まで、いたるところにニオイの発生源があります。

誰もが、何らかのニオイを発しているのです。

■治療が必要な口臭

みなさんも、終電近い電車に乗った時など、
何ともいえないニオイに、
一瞬たじろいだことがあるでしょう。

酒、ニンニク、ニラ、その他のニオイが見事に
ブレンドされたこのニオイは、
決して酒嫌いではないのに、
閉口させられてしまいます。

いた、「閉鼻」したい思いになります。

普段の自分のことは棚に上げて、
腹立たしくなってくるから不思議です。

こうした例のように、口臭というと、
飲食したものが原因であると考えがちです。

確かに歯ぐきなどに食べカスがたまり、
口の中の嫌気性細菌が付着・繁殖して分解、
発酵することで悪臭を放つのは事実です。

また、歯肉の後退、金属冠や義歯の不適合で、
不潔になりやすい場合にもいやな口臭は
避けられません。

このような清浄不足による口臭や生理的口臭は、
本人が注意して清潔に保つ努力をすることで
防げます。

ただし、病的口臭となると話は別です。

そのままにせず、病院できちんとした治療を
受けることが必要です。

ここで病的口臭について、その代表的な例を
あげてみましょう。

【口内炎症】
歯槽膿漏、口内炎、歯肉炎などがある場合、
膿のニオイや、崩壊した口腔内の嫌気性菌が
付着して、特殊な発酵臭を放つようになります。

扁桃腺炎や、慢性鼻炎、蓄膿症などの鼻や
のどの疾患、気管支炎、気管支拡張症、
肺結核などの呼吸器疾患のある場合にも、
同様の原因で口臭に結び付く場合があります。

【胃腸疾患】
口臭の原因の中で、歯槽膿漏と並んで多い
のがこの胃腸疾患です。

悪臭を発する飲食物を摂取した場合、
そのニオイ物質は消化過程で腸管から
吸収され、血液の流れにのって、
肺から悪臭ガスとして排泄されてにおうの
ですが、これは一過性のもので病的なものでは
ありません。

胃炎、無酸症、胃拡張、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、
胃がんなどがあると、どうしても消化不良を
起こし、飲食物の停滞、異常発酵が起こり、
悪臭食物を摂取した時と同じ経過をたどって
口臭となります。

この場合は病的なものです。

現代はストレス過多時代といえます。

ストレスが原因となって慢性胃炎や潰瘍を
起こす人が増えています。

睡眠不足、動物性脂肪やタンパク質の摂り
過ぎ、過食、便秘等とともに、十分な注意が
必要です。
腸の働きが悪かったり、腸内に疾患があったり
すると、腸内の細菌バランスが崩れ、
酵素分解が異常になって、悪臭物質を発生
させます。

【肝機能低下】
肝臓の機能が低下することは、
同時に代謝機能が低下することを意味し、
カビくさいニオイがすることがあります。

清浄な肝臓なら、口臭の原因になる中間
代謝物のアセトン、メルカブタンは分解されて
しまいます。

【腎機能低下】
腎機能が低下すると、
アンモニア臭い口臭がします。

血中の尿素量が増加して、
肺や口腔に分泌され、
細菌の作用によってアンモニアが生成する
ためです。

【糖尿病】
糖尿病もまた、代謝機能の低下や組織活性化の
低下を招き、
甘酸っぱいニオイがすることがあります。

また唾液が減少するため、
嫌気性菌が増殖して口臭の原因になります。

以上、口臭の原因となる病的症状について
述べてきましたが、各臓器、器官の疾患が、
結果的に口臭を導きだしていることがわかり
ます。

逆にいえば、それらの疾患を治せば、
口臭も治るということです。

■皮膚のニオイ

●食事の影響で受ける皮脂のニオイ

ここでは、皮膚表面から出るニオイについて、
考えてみましょう。

皮膚から発するニオイといっても、
皮膜そのものに特別強いニオイがあるわけでは
ありません。

皮脂腺や汗腺から出される分泌物こそが、
体臭の主な原因になっているのです。
皮脂腺から分泌されるのは、
言うまでもなく油脂成分です。

その油脂成分やそれに溶け込んでいる
弱いニオイ発生物質が、
皮膚表面に分泌された後に分解してできた
脂肪酸が、ニオイの原因となるのです。

個の皮脂腺には、食事の影響を受けやすい
という特徴があります。

脂肪分を多食すれば、皮膚は脂っぽくなり
ます。

欧米人のそばにいくと、
酸味を帯びたニオイやチーズ臭さを感じる
ものですが、これは、獣肉、乳製品を多く摂る
彼らの食生活が原因なのです。

ちなみに我々日本人は、欧米人に言わせると、
発酵食品のニオイがするそうです。

これは、みそ、しょうゆ、納豆、清酒、その他の
発酵食品を多食するせいでしょう。

イノシシやウサギの肉を多食しても、
イワシやニシンなどニオイの強い魚を食べても、
普段より強いニオイがします。

●エクリン腺とアポクリン腺の汗のニオイ

皮膚表面のニオイで、
もうひとつ忘れていけないのが汗です。

汗を出す汗腺には2種類あります。

1つはエクリン腺と呼ばれ、普通の汗を出す汗腺。

もう一方はニオイ物質を多く含んだ汗を出す
アポクリン腺です。

体温と水分の調節をするのがエクリン腺で、
体全体に分布していて、
暑い時や運動した時などには、
多量に汗を出します。

寒いときやおとなしくしている時は
汗を出さないかというと、そうではなく、
常に微量の汗を出し続けています。

皮膚が乾かないようにうるおいをもたせる
のも、エクリン腺の大切な働きの1つなのです。

エクリン腺から出る汗にはニオイ物質は
ほとんど含まれていません。

塩分が多いこともあり、細菌の繁殖もあまり
みられません。

つまり、汗だけではほとんどニオイを発しない
といってよいでしょう。

何日も風呂に入っていない人がにおうのは、
汗が脂肪酸やアカと混じり、
細菌が繁殖したためであって、
単なる汗のニオイではないのです。

ところが、アポクリン腺から分泌される汗と
なると事情は一変します。

この線から出る汗が、ワキガやスソワキガの
主要な原因となります。

人種によって体臭濃度が違うのは、
このアポクリン腺の多少が原因していると
いわれています。

事実、アポクリン腺の多さからいうと、
黒人→白人→東洋人の順であり、
体臭の強さも同様です。

我々日本人は、世界的にみて、体臭の薄い
民族です。

それだけニオイに敏感な民族ともいえます。

ワキガに代表される体臭は、
日本人だからこそ悩みになり、
コンプレックスになるのかもしれません。

ヨーロッパやアメリカの友人に聞くと、
確かに欧米では「ワキガの人が多いこともあるが、
あまり気にならないし、
コンプレックスをもっている人も少ない」
ということです。

■病気もニオイの原因

特殊な病気をもっている場合も、
におうことがあります。

その代表例は、糖尿病と甲状腺機能亢進症
です。

糖尿病は、血糖値を増大させるため、
アセトン臭という少々甘ったるいニオイを
出しますし、
甲状腺機能亢進症があると、
血中遊離脂肪酸が増加して、
皮脂腺を刺激して、独特の体臭を発しています。

パーキンソン氏病や片側麻痺などの中枢
神経障害、種々の神経痛など末梢神経障害
によっても体臭を発することがあります。

これは一種の神経作用により皮脂腺が刺激
され、皮脂の分泌が促されるため、
結果的ににおうものと思われます。

以上、体から漂う悪臭―口臭と体臭について
考えてきましたが、実に様々な場所から、
様々な原因によって、様々なニオイが出ている
ことが、おわかりいただけたものと思います。

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